君は振り向かない
「山本先輩、頼斗チャラいんで気を付けて下さい」
哲夫が横から茶々をいれる。
「知ってる~ぅ!!女の子はみーんな彼女なんでしょ?」
大きなカラコンの入った瞳で俺を見上げる山本先輩に、少しイラッとした。
「ははっ。先輩、俺のことバカにしてますね」
「だって、バカみたいに女の子に手を出してるじゃないの?」
何言ってるんだ、この女。
黙らせるか。
「俺、可愛い人しか興味ないですもん。そのなかでも山本先輩はトップクラス。チューしていいっすか?」
俺がそう言って笑うと山本先輩は、また赤くなった。
「なっ、恥ずかしい!だめだよ今は!友達も横にいるじゃん。また連絡するぅ!またデートいこうね」
そう言って、先輩は去っていった。
単純だ、相変わらず。