君は振り向かない
「あんな、チャラチャラしていつもギャルと遊んでた頼斗がこんな真面目になるなんてなー」
哲夫は、感心したように言う。
「やっぱり、真由ちゃんの影響力だよな?まあ確かに可愛いけど、何でそんな惚れてるんだ?今までのギャルとは正反対じゃんか」
「まあな。顔も、可愛いくてタイプだけど……。ちょっと不器用な優しさがあってさ。ツンツンしてるんだけどすげぇ心配してくれたり、たまに素直に感情ぶつけてくるとこがまた守りたくなるんだよね」
俺は真由ちゃんを脳裏に思い浮かべながら言った。
ギュッと胸がしめつけられる。
「そんなに好きなら、早く付き合っちゃえばいいのによー」
哲夫の言葉に俺は、一気に肩を落とす。
「それは無理だ。真由ちゃんが、俺のこと意識してる可能性が0に近い」
たぶん、告白しても振られる。
俺の一方的な片想い。