君は振り向かない
カップルのふりをして、クレープを注文し席に着く。
「周りカップルしかいないね……俺らは偽カップルだけど」
「私は気にしない。クレープ食べれればいい」
そう言ってクレープを片手に笑顔の真由ちゃんが可愛すぎて、思わずスマホで写真を撮ってしまった。
パシャッ
その音に気付いた真由ちゃんが、眉をしかめた。
「ちょっと!写真とらないでよ!」
俺はとった写真を見ると、真由ちゃんがニコニコしながらクレープを頬張る貴重な写真がとれていた。
「やべぇ……可愛い」
「うるさい!消してよ!」
消すわけない。