君は振り向かない
「俺なんかが誰かを本気で好きになっちゃいけなかったんだ。菜々子、お前も傷付けた。お前以外にも多くの女の子を傷付けてきた」
本当、俺は自分勝手だ……
いつだって、自分の気持ち優先だった。
「許して貰えるとは思っていない。俺が今までしてきたことは最低なことだ。人の心を弄んできた」
「頼斗もういいよ!私もちょっと悔しかっただけ!頼斗が本気で惚れた橘真由が羨ましかったの……」
菜々子がいきなり頭を下げてきた。
「ごめん。頼斗の真剣な想い聞いてたら、すごい申し訳なくなった。私あんたの大好きな女のでたらめな噂流した……」
俺は力なく笑った。
真由ちゃん、ごめんな。
辛い想いを俺のせいでさせてしまった。