君は振り向かない
俺は真由ちゃんの前で土下座した。
「ごめん。俺のせいなんだ。俺が真由ちゃんに話しかけてばっかいたから……それを前遊んでいた女が勘違いして流したらしい」
こんな土下座で許して貰おうとは思っていない。
ただ、謝りたくて……
「頼斗やめて。顔、あげて」
ずっと、頭を床に伏せたままの俺に真由ちゃんが頭を叩いてきた。
「さっさと顔あげなさい!」
俺はおそるおそる顔を上げた。
真由ちゃんが座り込んで、俺に視線を合わせてじっと見つめてきた。