マウンドの君
第一章

親父

「スタメンを発表する。ピッチャー、中村悠馬。」


「はい!!」



「キャッチャー、尾崎健吾。」



「はいッツ!!」



俺はおもいっきり返事をすると隣にいる悠馬を見た。

悠馬は俺に手を差し延べ、握手を求めた。


ガシ


「よろしくな」



「おぅ」





この時俺は決めた。
絶対こいつの最高の相方になるって。誓った。




俺は小学生の時、地区のリトルリーグに所属していた。
リトルは20人程しかいなかった。





小学5年生





ミーンミーン





「あっちぃ...ただいま親父!!」





「・・・」






親父は俺が嫌いらしく話す事は滅多になかった。
同じく母さんも俺を嫌っていた。
俺の弟、拓哉は真面目で勉強ばかり。





タンタン



階段を上がり自分の部屋に入った。ベッドの上に置いてあるキャッチャーミットとボールを持ち、一人でキャッチ練習。




パンッツパンッツ



ミットの乾いた音。
それを耳に頭の中で次の試合の事を考えてたりする。




俺はキャッチャーだからいつでもチームメートとコミュニケーションを上手く取って試合や練習をリードしなきゃいけない。
特にピッチャーとなると...
最大限の信頼性がなければバッテリーなんて組める物じゃない。







でも悠馬は最高の腕を持っていた。
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