【短】朝霧くんがいつも不機嫌な理由


と、続けるつもりだったのに言えなかった。


「先輩、ちょっときて下さい」



朝霧くんが私の腕を掴み、立たせて部屋を出たから。



ドアが閉まる瞬間、口パクで朝陽が「がんばれ」と言ったのが見えた。







朝霧くんに連れてこられたのは、男子更衣室だった。



本当……誰もいなくて良かった。

と、胸をホッとさせる瞬間もなく壁に押し付けられた。


朝霧くんの不機嫌な顔が目の前にあり、ドキドキが止まらないし、突然の事で頭が全く追い付かない。

……キャパオーバーだ。



「朝霧……くん、

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