【短】朝霧くんがいつも不機嫌な理由
離れてよ、という言葉は朝霧くんの「先輩」で遮られた。
「先輩は、……先輩は俺のこと好きですよね?」
「!!」
知られていた、バレていた。沙奈の言った通りじゃないか。
……恥ずかしくて死にそうになる。
そんな顔が赤くなる私を見て朝霧くんは、「だったら、……」と続ける。
「なんでよそ見するんですか?」
「っ……!!!」
コテっと、口を固く結び首をかしげる朝霧くんにドキリと胸が鳴る。