美女と不細工
なんで、俺だけこんな強烈に言われたかわかった。
…かもしれない。
まさかとは思うが。
「うるさい! いいワケは許さないわよ! 破廉恥!」
「いや、これは元からそーゆー顔というか……」
「うるさい、うるさい! 元からそんな可哀想な顔の人いるわけないでしょ!? そ、そんな」
「まるで世界一不細工みたいな顔!」
グサ。
加賀原凌、人生15年にて顔が不細工なせいで痴漢に間違われる。
ひでぇぇぇぇぇええぇぇぇ!!!!
そこまで言う!?
た、確かに俺は不細工だよ!?
家でパソコンしてるような古典的などうしようもない不細工だよ!
おまけに兄貴がイケメンだから余計目立って仕方ないくらい酷い顔してるよ。
自分でも認めるよ。
で、でもなぁ!
でもなぁ!
あまりのショックで何も言い返せずにいると周りの目がものすごく冷たい。
「え、何これ。え、ちょとなんすかみなさん。え、え!?」
嫌な予感。
俺は痴漢という容疑で危うく警察に突きつけられそうになった。
運命とはスバラシイもので俺はまたこの超絶美少女にて性格最悪な女と再開することになる。
今はっきり言おう。
俺は全然嬉しくなかった。