冷たい君と青春中。
ピピピピッピピピピッ
「んん〜」
まだ夢の世界にいる意識を軽快な機械音に引き戻される。
「…もう朝だ。」
あれから、ひとりで家に帰って明日こそは水野くんの「おはよう」を聞くんだって意気込んでいた。
「苺々華ー!遅刻するよー!」
リビングからあまいジャムの匂いとお母さんの声が聞こえる。
はーい、と軽く返事をしてリビングへ向かった。
今日はトーストか、と考えながら歯を磨く。
用意を終えて、何時もの時間に家を出た。
「いって来まーす!」
家の最寄り駅から、学校の駅まではたったのふたつ。だから朝は案外ゆっくりできるんだ