水面合わせ鏡

愛奈は必死に抵抗するが、2本の腕がまるで獲物を捕らえた蛇のように頭に絡みつく。

鼻や口から水が容赦なく流れ込み、息ができない。

空気を求めバタバタと抵抗するが、水を激しく揺らすだけで、絡みついた木のように細い腕はビクともしない。

次第に意識が遠のき、力が抜けていく。

そして抵抗していた愛奈の手はダランと垂れ下がり、彼女は意識を失いプールの中へと落ちた。
< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop