Fighting fantasia
拳聖
トン、と軽く跳躍し、着地するまでの間に、彼は蹴りを七発繰り出した。

着地しても止まらない。

着地と同時に回し蹴り、後ろ回し蹴り、正拳突きの連打、跳び後ろ回し蹴り。

激しい連打に、汗が飛び散る。

拳を、蹴りを繰り出す度に風を切る音が響く。

そんな稽古を、彼は切り立った峰の頂上で行っていた。

ほぼ爪先でしか立っていられないような、狭い足場の山頂。

しかしそんな不安定な足場でも臆する事なく、彼は全力の打撃を繰り出していく。

恐るべきバランス感覚の持ち主だった。

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