Fighting fantasia
そんな動揺が隙を生んだのか。

「ぐっっっ?」

一発だけ、たった一発だけだが、健二の拳がエフェスの頬を掠めた。

まるで通用しなかった健二の攻撃が、やっと命中した瞬間。

「この…下級戦士がぁぁぁああぁっ!」

プライドを傷つけられたのか、エフェスは大人げなく渾身の力を込めた光線で健二を撃ち抜く!

爆発と衝撃で、抉られる地面と共に吹き飛ばされる健二。

「くっ…」

お遊び程度の半分以下の力で片付けるつもりだったのに、ムキになってしまった。

そんな自身の行為を恥とすら感じる健二。

「不愉快だ。さっさと残りの連中も始末して帰るか」

苛立ち混じりにそんな事を呟く。

その時だった。

「不愉快なのはテメェの方だ」

爆発の砂煙の中で声がした。

…風に乗って晴れていく砂煙。

その中から。

「!!!!」

ズタズタになった道着姿の、健二が現れる!

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