Fighting fantasia
まるで爆撃でも受けたかのような、激しい爆発が巻き起こった。

とても人間一人の力で起こしたとは思えない。

粉塵が舞い上がり、大気すらも震動する。

「ちっ」

ウラヌスは軽く舌打ちする。

頭に来たとはいえ、少々やり過ぎてしまったか。

殺すつもりまではなかったのだが。

希少な一族の生き残りを葬り去ってしまった。

「マーズにまた小うるさく説教されてしまうか…」

どう説教をいなすか、そんな事を考えていた彼の目の前で。

「!」

粉塵の中から、人影が現れる。

赤い道着がズタズタに裂け、血と埃で顔を汚しながらも。

「今のは死ぬかと思ったぞ…」

ヨロヨロと、健二が歩み出てきた。

< 15 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop