Fighting fantasia
健二は強くなる為ならば、拳法に限らずどんな武術の使い手とでも積極的に組手を行った。

強さをひけらかすような事はしなかったが、強さを高める為ならば公の大会にも参加したし、それをする事で強くなれるというのならば、密林や山中にも分け入り、虎や熊とさえ戦った。

若くして拳聖の称号を得るに相応しく、敗北する事はなく、例え相手が人間でなかったとしても、彼に土を付ける者はいなかった。

世界広しといえども健二の名を知らぬ者はなく、腕に覚えのある者でも、公式非公式を問わず、彼と拳を交えようという者はいない。

黒星がつく事を恐れ、努めて彼との対戦を避けようとする。

結果として強すぎるが故に、拳聖は戦う相手がいなくなり、こうして前人未到の地で一人強さを高める為に修行を続ける他ない。

< 3 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop