Fighting fantasia
宇宙へ
人目につかない深い谷底に、ウラヌス達の宇宙船はあった。

球形の、大人三人が乗り込めばあっという間に定員になるような小型の宇宙船。

しかし。

「出発」

マーズが操縦席に座り、一言呟くだけで、宇宙船は凄まじい速度で大気圏外まで上昇していった。

その癖、まるで加速度を感じさせない。

瞬き程度の時間で、宇宙船は宇宙空間を漂っていた。

「音声認証ですからね。出発を指示するだけで、後は勝手に目的地の惑星へと向かってくれる」

穏やかな表情で呟くマーズ。

「俺が地球で修行してる間に、随分技術が発達したんだなー」

感心したように健二が言う。

「これは俺達一族の技術じゃない。他惑星の異星人から奪った高度な宇宙船技術だ」

ウラヌスが口を挟んだ。

< 31 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop