Fighting fantasia
「あれから俺は鍛え直し、今の強さを身に付けた!宇宙に名だたる戦闘民族である貴様らに匹敵するだけの強さをな!」

左右の頬を殴りつけ、顎をかち上げ、胸板に肘打ち!

大きく上体を逸らした健二に、ユピテルは回し蹴り!

岩壁に叩きつけられ、健二は小さく呻く。

「…正直お前との戦いの事は…全く覚えてねぇけど…」

ヨロヨロと歩み出る健二。

「今の俺も…無駄な殺しをしたくねぇのは同じだ」

戦闘民族だか、略奪によって発達した一族だか知らないが、不必要な殺戮などしないに越した事はない。

殺し、奪い、滅ぼす。

そんな一族の在り方に嫌気が差し、健二はジュピターの名を捨てて地球に落ち延びたのだ。

ただ純粋に自分の強さを追求する為に。

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