Fighting fantasia
四つん這いになり、身を起こす。

絶望ならしている。

最初の攻防で、心などもう折られている。

「おや?」

エフェスが目を丸くした。

「まだ立てるのか?本当に凄いなお前は。これが神化という奴か」

それでも、立たなければならない。

ガクガクと震える膝で、マーズは何とか立ち上がった。

一時間持ち堪えるという、当初の予定は既に諦めている。

命はないだろう。

この戦いで、マーズは確実に死ぬ事になる。

だが、何もせずにすぐに死ぬ訳にはいかない。

マーズの目的は、少しでも長く抵抗して、エフェスの気を惹く事。

マーズに意識を向けさせて、修行している健二達が気付かれないようにする事だ。

一時間は無理でも、マーズが長く耐えれば耐えるほど、健二達の修行する時間は長くなるのだから。

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