Fighting fantasia
「見ろ!」

全速力で飛行していたユピテルが指差す。

エフェスに首を摑まれてぶら下げられた、マーズの姿。

右腕は折られているのかダラリと下げ、最早抵抗らしい抵抗も見せていない。

ユピテル達が修行に向かって凡そ三十分。

修行場である惑星時間にして半年が経過していた。

一時間は何とか持ち堪えると言っていたマーズだが…。

「やはり無理だったか」

ユピテルの後ろを飛行していたウラヌスは歯噛みした。

あのエフェス相手にたった一人で立ち向かうなど、土台無理な話だったのだ。

もしウラヌスの修行が三十分で完了していなかったら、救援が間に合わなかった所だ。

「待っていろマーズ!今助けて…」

言いかけたウラヌスの目の前で、まるで見せしめのように。

「!!!!!!!!!」

エフェスはマーズの胸板を光線で貫いた。

< 73 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop