Fighting fantasia
マーズの胸を撃ち抜く光線。

吹き飛ばされるマーズの体。

笑みを浮かべてそれを見届けるエフェス。

弟の体は宙を舞い、地面に投げ出される。

それらが、ウラヌスにはスローモーションのように映った。

地面に横たわり、ピクリともしないマーズ。

着地したウラヌスとユピテルは、それを無言で見つめる。

…ゆっくりとマーズに歩み寄ったのはウラヌスだった。

力無く仰向けになるマーズを、立ったまま見下ろす。

「…に…いさ…」

驚くべき事に、マーズはまだ微かに息があった。

しかし時間の問題だ。

ウラヌス達の乗ってきた宇宙船に治療カプセルがあるが、そこに運び込むまでもたないだろう。

マーズの傷はそれほどまでに重傷だった。

「馬鹿め」

ウラヌスは吐き捨てるように言う。

「一人で持ち堪えるなどと大口を叩きやがって。思い上がるからそのザマだ」

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