美しいだけの恋じゃない
『同級生だし、サークルの仲間だし、告白後も無下にはできないと思って、それまでと同じ態度で接していたのが仇になってしまったみたいだな』
その時の気持ちがぶり返したのか、門倉保はとても疲れたようなため息を挟んだ。
『彼女達、怒りのピーク時にはバイト先まで押し掛けて来て。すったもんだの修羅場の末、学内で一目置かれている教授が仲裁してくれて、何とかそのトラブルは終息したんだ。だけどサークルはとてもじゃないけど続けられなくなったし、バイトも辞める羽目になって、結局、恋人ともギクシャクして別れを選択する事になった』
門倉保の話を聞いているうちに、鼓動の速さが増して行き、胃の辺りがキリキリと痛み出した。
周りの勝手な勘違いや思い込みにより、責め立てられて追い詰められて、心に深い痛手を負うというのは、私も嫌というほど繰り返し経験して来た事だから。
ただ…。
『まぁ、そんな中でも俺の味方をしてくれていた数少ない友人達からは、『分かる人には分かるから、お前は常に堂々としていろ』なんて励ましてもらえたけどさ。だから何とか立ち直れたんだ』
彼はそんな目に逢ってもなお、殻に閉じ籠らず卑屈にならず、大勢の輪の中にすんなり溶け込み、他人の懐の中に入り込める明るさと強さを持っている。
私とは違う。
ただただ弱虫で、意気地無しだった私とは…。
その時の気持ちがぶり返したのか、門倉保はとても疲れたようなため息を挟んだ。
『彼女達、怒りのピーク時にはバイト先まで押し掛けて来て。すったもんだの修羅場の末、学内で一目置かれている教授が仲裁してくれて、何とかそのトラブルは終息したんだ。だけどサークルはとてもじゃないけど続けられなくなったし、バイトも辞める羽目になって、結局、恋人ともギクシャクして別れを選択する事になった』
門倉保の話を聞いているうちに、鼓動の速さが増して行き、胃の辺りがキリキリと痛み出した。
周りの勝手な勘違いや思い込みにより、責め立てられて追い詰められて、心に深い痛手を負うというのは、私も嫌というほど繰り返し経験して来た事だから。
ただ…。
『まぁ、そんな中でも俺の味方をしてくれていた数少ない友人達からは、『分かる人には分かるから、お前は常に堂々としていろ』なんて励ましてもらえたけどさ。だから何とか立ち直れたんだ』
彼はそんな目に逢ってもなお、殻に閉じ籠らず卑屈にならず、大勢の輪の中にすんなり溶け込み、他人の懐の中に入り込める明るさと強さを持っている。
私とは違う。
ただただ弱虫で、意気地無しだった私とは…。