何も知らない女の子と知っている男の子
高二の秋。
「あーおっ!」
俺を呼んだのはいつもいる熊。
「…なに」
「そんなカリカリすんなって。これから合コン行くんだけどさ、人数足りなくて青も一緒に」
「今日はいい」
「えぇー!!なんで!?」
「もう疲れた」
ここんとこまともに寝たかなってほど寝不足。
「もしや青、昨日も家にお客さん来てましたかい?」
「…そうだけど」
「どんな子だった?」
「どんな子って…顔見てねぇし」
するのに顔なんかどうでもいいだろ。
「胸デカかった?」
「…は?」
「はじゃねーだろ。ちゃっかり見てるんだからー」
…なんですかこのテンション。
「知らね、でかかったんじゃね」
「またまたー。青はモテモテでいいねー」
「よくねー。どいつもこいつも女ってこれだから」
「信じられねぇ」
「…」
「だろ?」
「…死ね」
「ちょっとまってー!」
俺は熊を無視し靴箱を出た。