すべてが始まる5分間

「俺の女になんか用?」

澄んだアルト。


翔の声ではないその主は。


スッと通った鼻筋に、綺麗な二重、切れ長の眼。薄い唇。整った輪郭。
総括するに、今まで見たことないほどにかっこいいその彼は、

たしかに今、俺の女、と。言った。




「だ、誰…?」

呟く私の方に手を回したその人は、
私の耳元で、話し合わせて、と囁いた。


有無を言わさないそのスマートな仕草に
頷くことが精一杯の私。


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