常々草
この前、学校帰りに自転車で盛大に転んだんだ。
低速で自転車を漕いでいるお爺さんを抜かして曲がり角に差し掛かった時、信号待ちをしてる人達が道を塞いでて。
急ブレーキを踏んだらバランスを崩したんだけど。

目の前で盛大に転んだ女子高生に、信号待ちの人々は、「あーあ、可哀相」みたいな視線しかくれなかった。
唯一声をかけてくれたのが、さっき抜かしたお爺さん。
「大丈夫?」って、私の自転車のカゴから飛び出した荷物を拾いながら言った、次の言葉が、ちょっと胸に刺さったというか。

「急いだらいかんよ」

って。
いや、胸に刺さったって言うほど大袈裟なものでは無かったかもしれないけど、何かビクッとしたのは確かだ。
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