キミの首輪に、赤い糸を。
家に帰ってスマホを開くと、お母さんからメッセージが届いていた。


[元気?何かあったらすぐ連絡してくるのよ?勉強は順調?私達は元気にしてるからね。]


たまに送られてくるお母さんからのメッセージはいつもクエスチョンマークが多い。


「ったく、心配性だなぁ」


私はすぐに返信を返した。


[私も元気。勉強はまぁまぁ順調かな。おばあちゃんも元気そうだから心配しないで。]


一昨日会ったおばあちゃんの様子も付け足し、送信ボタンを押す。


「あぁー、疲れた」


ぐったりとベッドに身を委ね、意味もなく天井を見つめる。

あ、そうそう。
恋って、なんだっけ。

ふと思い出してもう一度スマホを手に取り、[恋とは]と打ち込んで検索してみた。

検索結果は、異性に想いを寄せること、愛しく思うこと、などが並ぶ。


「結局よくわかんないし」


私は携帯をベッドに放り、夕食を作るために立ち上がった。
< 10 / 231 >

この作品をシェア

pagetop