キミの首輪に、赤い糸を。
「...っ、あのね、きさらぎが...きさらぎが、来てるの」

「うん」

「そ、れで、きさらぎ、フラフラしてて、なんか、ちゃんと喋ってくれなくて、そのまま、廊下で倒れちゃって...っ、どうしよう、どうしたらいいの?」


フラフラしてて、ちゃんと喋れなくて...それって...。


「真白、大丈夫だから落ち着いて。如月さん、水を欲しがると思うからあげて。運べなかったらちょっと待ってて。今、帰るから」

「...っうん、待ってる」


真白はまだ涙声のまま電話を切った。

早く帰ってあげなきゃ。
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