キミの首輪に、赤い糸を。
ソファまでの道は、すごく遠かった。

その間に一つ、気づいたことがあった。

それは、如月さんから香水の匂いがすること。
前会ったときは感じなかった、甘くて強い匂い。

如月さん、こんな香水つけそうじゃないのに。


「...っはぁ、すみ、ません」


ソファに着き、如月さんは崩れ落ちるようにソファに倒れ込んだ。


「いえ、大丈夫ですか?」

「...はい。...これまでの、けいい、せつめいしなきゃだめなのに、すみませ...いま、ちょっと...」

「あ、大丈夫ですよ、今じゃなくて。また、酔いがさめてからで。今は休んでください」


私がそういうと、如月さんは小さく頷いて、それからすぐに眠りに落ちた。
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