キミの首輪に、赤い糸を。

「依存しているのは、私の方なんです」

その日は、真白は私の部屋の床に布団を敷いて寝ていた。
その表情は、寝ていてもやっぱりどこか不安げで、心配になっていた。

そして次の日になり、私は目を覚ました。

真白はまだ眠っている。

真白が起きないようにゆっくり部屋から出て、リビングに行くと、ソファに座っている如月さんが目に入った。


「おはようございます、如月さん」


私がそう声をかけると、如月さんは振り返り、私と目を合わせた。


「え...っと...」

「もしかして、覚えていませんか?」

「...申し訳ありません。昨日、何かご迷惑をおかけしましたか?」


如月さんは申し訳なさそうに頭を下げた。


「いえ、気になさらないでください。ですが、かなり酔っていらっしゃったようなので...」


私がそういうと、如月さんは何かを思い出したようにはっとした顔をして、遠慮がちに私の方を見た。


「あの、真白は...?」

「真白なら私の部屋で寝ていますよ」

「...少し、顔を見せていただけますか?その後すぐにお暇しますので」

「もちろん、構いません」


私は如月さんを、真白の元へと案内した。
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