キミの首輪に、赤い糸を。
「バカですよね。何も覚えていなくても、真白は私の苦しみを請け負ってくれていた。それなのに、私はそれに気づかずに半ば無理矢理追い出した。でも、真白は私の言うことを聞いた」

「...真白は、如月さんに壊れてほしくない一心で、如月さんの言うことを聞いていたんだと思います。私と暮らすようになってからも、私に見離されたら如月さんの元に戻されて、如月さんを困らせてしまうって、そう思って必死に私に気に入られようとしてたんですよ」


如月さんに分かって欲しかった。

真白も、如月さんを必要としていたんだって。


「...和咲さんに真白を預けて正解でした。おかげで私も、救われた気がします」


如月さんは、そう言ってはにかんだ。

その笑顔は初めに見た作ったような笑顔ではなく、少し不器用な、だけど、温かい笑顔だった。
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