キミの首輪に、赤い糸を。
「...僕、なんか、不安なんだ」


次に口にしたのは、真白の状況。


「どうして?」


私の質問に、真白は目を泳がせた。


「わかん、ない...。ただ、怖い。...僕、知ってるんだ。きさらぎ、前...いや、ずっとずっと昔も、あんな風に苦しんでた」


ずっとずっと昔。

それは、真白が無くしてる記憶の一部?


「...よくは、思い出せないんだけど、きさらぎ、ずっと前も、苦しそうに倒れてた」


真白の体は不安げに揺れる。

記憶を思い出しそうになっているから、真白は精神的に不安定になっているんだろうか。
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