キミの首輪に、赤い糸を。
「...僕、きさらぎのこと、知ってるの...かな」

「...そうかもしれないね。でも、焦らなくていいよ。思い出すのは、今じゃなくていい」


そう言って真白の手を握ってみると、真白もぎゅっと握り返してきた。


「...なんの記憶なんだろう。でも、なんか、怖い。思い出すのが、すごく、怖い...」


真白は思い出すことを拒んでる。


『なんで俺だけがあの記憶を請け負わなきゃいけねぇんだ』


如月さんの言葉をふと思い出した。

如月さんにとっても、辛い記憶なのかな。

だったら、真白にとっても辛くて、だから、思い出すことを拒んでるのかな。


「...きさらぎは、きっとこの記憶の全てを持ってるんだよね...?...きさらぎ、辛い、かな」


少しずつ、真白と如月さんが繋がっていく。

真白の記憶に、如月さんとの記憶が、少しずつ戻っていっている。

二人はどういう関係なのか、今は如月さんにしか分からない。
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