キミの首輪に、赤い糸を。
「ん...」


それから真白が目を覚ましたのは、3時間ほど過ぎたくらいだった。

私も1時間ほど眠ってしまって、頭もぼんやりしている。


「おはよー...かずさ」

「おはよう。大丈夫?」

「うん。ごめんね」


真白はそう言って、私から少し離れた。


「...強く、なりたいな」

「えっ?」

「僕も、きさらぎみたいに、強くなりたい」


俯いていて、表情は読み取れない。


「...きさらぎは、僕の分の記憶も持ってくれてるんだもんね。きっと、あんまりいい記憶じゃないから、一人で持つには、重いと思う」


でも、それはさっきより頼もしい気もした。


「...ありがと、和咲」

「何にもしてないよ?」

「...和咲は、いてくれるだけで落ち着かせてくれるから。ずっと不安だった。今も不安はあるけど、和咲がいてくれるなら、なんか大丈夫な気がする」


真白の言葉に、私は恥ずかしく思いながらも嬉しかった。
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