キミの首輪に、赤い糸を。
「えっと...立てますか?」


私がそう聞くと、男の子は困ったように首を傾げた。


「じゃあ...私が支えるので、体重を私に預けて立って下さい」


私がそう言うと、男の子は小さく頷いた。


「いきますよ、せーの」


私は男の子を支え、ゆっくり立ち上がる。
男の子の体は熱を帯びていて、ふらついている。
これってどれくらい熱あるんだろ...。

男の子の身長は私と同じくらい。
そのおかげで支えることが出来た。


「えーっと...家、どこですか?」


私がそう聞くと、男の子は首を横に振った。

え...無いってこと?


「えっと...じゃあ、一旦うちに向かいますね?」


私がそう言うと、男の子は頷いた。

どうして彼は他人の私に連れていかれそうなのに何も抵抗しないんだろう。
少しそう思ったけど、家に他人を連れ込もうとしている私も私だと思い、何も言わずに彼を支えて歩いた。
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