キミの首輪に、赤い糸を。
「...和咲に、そんな言い方しないで」

「真白...?」


真白が私と女の人の間に立って、女の人を睨み付けた。

いつの間に、そんなに強くなったの...?


「何なのよ、アンタ」


女の人は怒っていて、グラスを床に投げつけた。

その大きな音に、その場の人達の視線が集まる。


「ふざけないで。私はアンタよりリョウのことを想ってるの。誰よりリョウのこと...!」


そう言って女の人は尖ったグラスの破片を向けてきた。


「危ないです!止めてください!」

「うるさい!」


酔っていて、話が通じない。


「アンタなんか...アンタなんかっ!」


そう言ってその女の人は、私の方に破片を向け、フラフラとした足取りながらも走ってきた。
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