キミの首輪に、赤い糸を。
その瞬間、心が冷めきった気がした。

真白に、優しさを向けるのを、忘れてしまった。

真白に出会う前、いや、出会う前より、俺はクズになってしまった。


「...分かった」


もう、いい。

俺も疲れた。
だったら、真白を殺して俺も死ぬか。

俺は真白の細くて白い首に手をかけた。


「お兄ちゃん...?」

「...苦しかったら、俺にしがみついてろ。出来るだけ早く、楽にしてやるから」


今自分がどれだけ残酷なことをしようとしているのか。

俺にはもう、分からない。
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