キミの首輪に、赤い糸を。
死ぬといっても、宛はない。

いっそ父に罪を被せて死のうかと思ったけど、それは真白も巻き込まれてしまうだろうと辞めた。

さぁ、どうするか。

そう思いながら、俺はフラフラと歩いていた。

そして、辿り着いたのはネオン街。
大人の欲望が渦巻くその街を、俺はずっと理由もなく嫌っていた。

ここにいる人と今の俺は、なんら変わりないんじゃないか。
そう思った。


「こんなところで何やってんだよ」


スーツ姿できらびやかな格好をしている、この人に会うまでは。
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