キミの首輪に、赤い糸を。
「どこに向かってるの?」


タクシーの中で、真白はキョロキョロと外を見回していた。


「病院」

「もしかして...昨日話してたケイさんって人のこと?」

「あぁ。会わねぇとな。俺も、真白も」


陵さんは外をずっと眺めていた。

私も、外を眺める。

変な緊張感があった。


「タクシーに乗る時って、なんかいつもドキドキしてる気がする」

「確かに」


真白の言葉に少し笑ってしまう。

でもきっと、これから起こるのは悪いことじゃないと思う。
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