キミの首輪に、赤い糸を。
「...着いた...」


陵さんの表情からは緊張が読み取れる。


「あの、セザワケイの病室ってどこですか」

「セザワさんですね。えぇと、セザワさんの病室は...259号室です」

「ありがとうございます」


陵さんは看護士さんに丁寧にお辞儀をして、その病室を目指す。

私と真白は、そんな陵さんの後をただ着いていくだけだった。


「...ここが、ケイの病室」


一つの個室の前で、陵さんは立ち止まった。

[瀬沢 啓]と書かれているその病室に入るのに、私達は一呼吸置いて、陵さんはゆっくりと扉を開けた。
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