キミの首輪に、赤い糸を。
「...ケ、イ」


ベッドに横たわっている、一人の男性。
大人っぽくて、だけどどこかに幼い少年っぽさが窺える顔立ちだった。


「...久しぶり、だな」


陵さんの言葉は今にも途切れて消えてしまいそうだった。

ケイさんには、届いているのかすら分からない。


「俺、少しは大人になったよな...?」


返事なんて返ってこない。
それでも、陵さんは話しかける。

真白に再会する前は、こうやってケイさんに話しかけてたのかな。

それって、大きな孤独感と寂しさに襲われること、だよね。
今の陵さんを見て思う。

今の陵さんは、今にも泣きそうな顔をしているから。
< 215 / 231 >

この作品をシェア

pagetop