キミの首輪に、赤い糸を。
「...如月、真白です...!お兄ちゃんの弟で...だから、僕とも仲良くしてくれると、嬉しいです...っ」


勇気を出して、必死に言葉を紡ぐ真白。

私も、一歩踏み出した。


「時森和咲です。真白と陵さんの...友達なんです。だから、ケイさんとも、お友達になれたらと...思います...!」


真白と私の言葉を聞いて、陵さんは涙を拭いながら、ケイさんを見た。


「...っ、聞いたか...?お前は、ケイは、独りじゃねぇからな...っ。俺と真白はお前の兄弟で、和咲さんはお前のダチだから...だから、独りだなんて、思うなよ...っ」


聞こえていますか?ケイさん。

あなたの、弟さんの声が。

独りじゃないです。

あなたも、陵さんも、独りじゃないですよ。

返事ならずっと待ってます。

だから、寂しくなんて、ないですから。


「これからは、もっと会いに来るからな」


陵さんはそう言って、ケイさんに笑顔を向けた。

太陽のような、眩しい笑顔。
それは、陵さんから聞いた死のうとしていた頃の陵さんの面影は感じられなかった。
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