キミの首輪に、赤い糸を。
「...ありがとな、真白。ありがとうございます、和咲さん」


タクシーに乗ってから、陵さんはそう言った。


「二人のおかげで、ケイと話せた。二人のおかげで、ケイを独りにしないことができた」

「ううん。こちらこそだよ。お兄さんが出来て、嬉しいし」

「私もですよ。新しいお友達が出来て、嬉しいです」



私達の言葉に、陵さんは優しい笑顔を浮かべた。

よかった。
陵さんの表情は、すごく優しくなってる。
心の大きな氷が溶けたような、そんな風に感じた。


「ねぇ、お兄ちゃん」

「どうした?真白」

「僕の友達にも、会って欲しいなって」


真白はそう言って、陵さんを見る。


「真白の、友達?」

「うん。明日、会いに行かない?きっと、いると思うから」


真白は少し自慢気に言った。
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