キミの首輪に、赤い糸を。
「...あのさ、和咲」

「ん?」

「ありがと」


また呼ばれたと思ったら、今度はお礼を言われた。

真白のことが、やっぱりまだよく分からない。


「んー、何が?」

「僕を預かるって言ってくれたから」

「あー、うん、まぁ一週間だけだしいいかなぁって思って」

「そっか。よかった、和咲優しい」


ふわふわとした印象の真白は、どこか不思議な雰囲気がある。

まぁ実年齢より精神年齢が低そうっていうのはそうなんだけど、どこか掴めないような、そんな感じ。


「そういえば、真白は高校に通ってないの?」

「うん。僕、作曲家として働いてるんだ。だから、学校は行かなくてもいいってきさらぎが言ってた。...今のご主人は和咲だから、和咲が高校に入ってほしいなら入るよ?」


いや...多分高校生に心が追いつけてないからなぁ...。
それに、一週間だけ高校に通うのはおかしいし。

でも、少し気になる。
純粋な心から生まれる、彼の音楽。


「ううん。いいよ。今までの生活スタイルは無理に崩さなくて」

「うん、わかったー」


真白は頷いてクッションを抱き締め直した。

聞きたいことはたくさんある。
だけど、さすがに病み上がりの真白を質問攻めにするのは可哀想だから、質問はこれ以上しないことにした。
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