キミの首輪に、赤い糸を。
「真白、まだ熱あると思うし、少し休んだら?」


私がそう言うと、真白は私の肩に頭を乗せてきた。
そして、まるで猫のようにすり寄ってきた。


「え、ちょっと、真白...?」

「...ダメ、だった?」


若干上目遣いになっている真白の困ったような表情に、私の首は自然と横に動いた。


「んん...風邪、移らないように頑張らなきゃ」


そう言って真白は息を止めようと頬を膨らませた。


「あはは、そんなことしなくてもいいよ」


一つ一つの動作が可愛くて、私は真白の頭に手を置いた。

ふわふわとした髪は触り心地が良くて、私はその手で真白の頭を撫でてみた。

すると真白は、気持ち良さそうに目を閉じる。

なんか、今日初めて会ったのに不思議な感じ。
なぜか、真白は元から私のペットだったかのよう。


「和咲、あったかい」


本当、猫みたい。

なんで初めて会った人にこんなになつけるんだろ。


「んー...なんか、眠くなってきたかも」


真白はそう言って目を擦る。


「寝てもいいよ」


私がそう言うと、真白はコクンと頷いて、すぐに寝息を立て始めた。

左肩の温もりに、私も眠気を助長される。

私はゆっくりと、意識を手放した。
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