キミの首輪に、赤い糸を。
真白はギターを抱え、部屋に入ってきた。


「きさらぎ、何弾いたらいい?」

「そうだな...Starryとかどうだ?」

「ふふっ、きさらぎ好きだよね、その曲」


真白は笑いながらギターを構えた。
そして、弦を弾いた。

綺麗。
それが、その曲の第一印象だった。
曲名の通りの、星が多い夜空を想像させるその曲は、聴いていてすごく心地いい。

キラキラ、キラキラ。
たくさんの星が瞬いて、今にも降ってきそうなほど。

純粋で、繊細で、優しくて、切なげで、でも、どこか楽しそうなのは、きっと素直に真白の気持ちが反映しているから。

如月さんがこの曲が好きだっていう理由、分かる気がする。

弾いている真白の顔は、いつになく優しくて、楽しそう。
聴いている如月さんの顔は、優しげな笑みが浮かんでいて、幸せそう。

すごい。
真白が奏でる曲は、人を幸せにできる、魔法みたい。
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