キミの首輪に、赤い糸を。

周りの人はすれ違う度に私たちを微笑ましそうに見ていた。
もしかして、カップルって思われてる？

そう思うと、少し恥ずかしい。

真白はというと、そんな人達と目が合うと困ったように微笑んでいた。
あぁ、他人には警戒心が強いんだった。


｢あー！おにーさん、ボール取って！｣


そんなことを考えていると、私たちの所にサッカーボールが転がってきた。

そして、その後を走ってきたのは、一人の男の子。
肌は小麦色で、髪は日に焼けて少し茶色くて短い。

まさに健康優良児でやんちゃな男の子って感じ。

そんな自分と正反対の男の子を前に、真白は少し戸惑っていたけど、すぐにボールを拾い、｢はい、どうぞ｣と手渡していた。


｢ありがとー！ん？おにーさん、なんで首輪つけてんの？｣


やっぱり、ちょっと変に見えるのかな。
男の子は純粋に真白の首元を見る。


｢あー、えっとね、これは...｣


真白は少し悩んで、｢オシャレだよ｣と微笑んだ。


｢オシャレ？首輪が？｣

｢うん。僕はこれ、結構気に入ってるんだ｣


真白は少し不安そう。
これで男の子が納得するか不安なんだろうな。


｢へぇ...なんか...｣


男の子の次の言葉にドキドキしている真白。


｢なんか...かっこいいな！｣


そして、その返答に、真白はすごく安心したみたい。
なんか、男の子に振り回されてて面白い。


｢ほんと？｣

｢うん！おにーさん、オシャレなんだな！｣


男の子の感性は、どうやら少しずれてる？
いや、改めてみると、真白がつけてるとなんかファッションにも見えてくる...。