キミの首輪に、赤い糸を。
「家にいたんだね」

「うん!ちゃんといい子にしてたよ?」

「そっか」


真白はそれから、今日の出来事を話してくれた。


「お昼は和咲が教えてくれたカフェでリゾット食べたよ。美味しかった!雛ちゃん、がね、優しくしてくれた」


まだ雛ちゃんって呼ぶのに少し抵抗があるみたいだけど、雛ちゃんに優しくしてもらったって自覚してくれてるなら、雛ちゃんと仲良くなってくれる日も近いと思う。


「今日はほぼギターを弾いてた。たまに窓から外を覗くとね、ネコとかちょうちょとか、色々見えるの!たくさんメロディが浮かんで、追い付かないくらいに!」


そう言って、真白はギターを弾く。


明るい曲調、緩やかで、繊細で。
ネコは日向ぼっこをして寝転がってて、蝶はじゃれあいながらヒラヒラと飛んでいる。

私にも見える、真白が見ていた風景。

真白の奏でる音楽は、その場を真白の見たり感じたりした風景に変えていく。

疲れが飛んでいっちゃう。


「どう、だった?」

「...すごく、綺麗。優しくて、やわらかくて...」


魔法みたいだったよ。

そう伝えると、真白は照れくさそうに笑った。
< 64 / 231 >

この作品をシェア

pagetop