キミの首輪に、赤い糸を。
恋、かぁ。

私はクラスを見回した。

好きとか、付き合いたいとか、やっぱりよく分からない。
クラスの男子の中に、かっこいいなーって思う人がいない時点でやっぱり恋には向いてないのかなって思ったりする。

みんな、なんでこんなに恋出来るんだろう。
あの人がかっこいい、あの人はモテてるって盛り上がる輪に入ったことも無い。

私に恋は出来るんだろうか。

そんなことを考えているとチャイムが鳴って、みんなそれぞれ席に帰っていく。

ちらっと唯を見ると、授業なんか上の空で、窓の外を見ていた。
私もその方向を見ると、他クラスの男子の体育の時間だった。

私も窓の外を見ると、降旗くんが走っているのが見えた。
そういえば男子は長距離走やってるって言ってたっけ。

バテながらも必死に走っている男子達に紛れて、降旗くんは他の男子よりペースが速い。

さすがだなー。
そう思いながら唯の方に視線を向けると、唯も降旗くんをキラキラした目で追っている。

楽しそう。
それが恋への第一印象。

でも私にとっては、ドラマや小説の中だけの話だった。
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