キミの首輪に、赤い糸を。
でも、なぜか聞けない。

真白の黒の部分に、触れてしまいそうな気がして。

こんな短時間でも感じるその黒って、どこにあるんだろう。


「ふわぁ...僕、眠くなってきた...ちょっと寝るー...」


そう言って真白は、私の膝の上に頭を乗せた。


「...少しだけ、膝、貸して?」

「...うん。いいよ」


少しびっくりしたけど、それを受け入れた。

真白は私の顔を見て、それから少し微笑み、目を閉じた。

真白の髪をくしゃ、と撫でてみた。
ふわふわしてて、細くて、綺麗。

長い睫毛に、通った鼻筋に、潤った唇に。
本当、女の子みたい。


「女子力負けてるわー...ほんと」


軽くショックを受けつつも、どこか愛しく感じるのは、真白の黒の部分を知らないから?

それとも、純粋に真白という存在を気に入っているから?

相変わらず固い考えしか出来ない自分に少し落ち込む。

真白みたいに自然体でいられたら、きっと唯みたいに恋愛が出来るんだろうな。

可愛くない自分がなんとなく少し気に入らなくなったのは、真白の可愛さを知ったからだと思う。
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