キミの首輪に、赤い糸を。
「ごめんなさい...っ」


真白は、優しい人だ。

だから、謝らずにはいられなかったんだと思う。

...そんな真白は、


「最低なんかじゃないよ」


最低なんかじゃない。


「でも...っ。僕、利用したんだよ?和咲の優しさを、きさらぎの苦しみから、逃げるために」


真白には一部の記憶がない。
でも、真白はきっと私なんかより持ってる。

人を傷つけることの辛さ。
人を利用することの酷さ。

そんな辛さや酷さから逃げることの、苦しさ。

だからこそ、聞きたい。

だからこそ...


「真白は、今もそんな気持ちなの?」


その心を、少しでも救えたらなって、そう思うんだよ。
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