キミの首輪に、赤い糸を。
「...えっ?」

「今も、私をただ利用するためのものとして見てるの?」

「...っ違う!」


真白は横に首を振る。


「そんなこと、ない...!初めて会ったときは縋ってた。和咲の存在に、僕らのこれからを、懸けてた。でも...っ、でも、今は違うよ!和咲は、僕にとって特別なの...!すぐ気づいたよ?和咲は優しい人で、本当に僕のことを考えてくれてて...だからこそ、痛かった。和咲を利用してる自分が、許せなくて、ずっとずっと、痛かった...!」


真白の目から、涙が零れる。

やっぱり真白は最低じゃないよ。

誰より真っ白で、誰かに縋りたかっただけなんだと思う。

壊れかけの如月さんに、これ以上負担をかけたくなくて、だけど、どうすればいいのか分からなくて。

必死に、私に縋りついてた。
私に嫌われないように、私の好きなものを好きになって、私の言うことを聞いて。

きっと、その時にも、真白の心は痛んでた。

如月さんから逃げてる。
私を利用してる。

そう思って、ずっと苦しんでた。
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